映画『浅草キッド』は、ビートたけしさんの自伝小説を原作とした、実話ベースの作品です。
若き日のビートたけしさんが、浅草フランス座で修行し、師匠・深見千三郎さんと過ごした日々が描かれています。
この記事では、映画の元になった実話の時系列や、映画との違いについて詳しく解説します。
『浅草キッド』は実話を元にした作品
映画『浅草キッド』は、もとは小説を原作としています。
この小説には、ビートたけしさんが浅草で芸人として下積みをしていた時代と、師匠である深見千三郎さんとの思い出が書かれています。
そのため、映画で描かれる出来事の大筋は実際の体験に基づいています。
ただし、演出や人物描写には映画ならではの脚色も加えられています。
実話のモデルとなった人物
| 映画の登場人物 | 実在の人物 | 概要 |
|---|---|---|
| 北野武 | ビートたけしさん | 後に世界的映画監督としても活躍 |
| 深見千三郎 | 深見千三郎さん | 浅草を代表する伝説の芸人 |
深見千三郎とはどんな人物だったのか
深見千三郎さんは、浅草演芸界で「天才」と称された芸人でした。
コント、タップダンス、芝居など幅広い芸をこなし、その後も多くの芸人に影響を与えました。
芸に対する姿勢は極めて真面目で、ビートたけしさんにとって生涯の師匠となりました。
深見千三郎さんは、後に自分自身の火の不始末の火災で亡くなっています。
ビートたけしと深見千三郎の実話の時系列
1972年:浅草フランス座で芸人修行を開始
1972年夏、25歳だったビートたけしさんは、明治大学工学部を中退し、
浅草のストリップ劇場「フランス座」でエレベーターボーイとして働き始めました。
そこで出会ったのが、劇場の座長であり芸人でもあった深見千三郎さんです。
エレベーター内で劇場の座長兼芸人である深見千三郎のコントを目にし、感動して弟子入りを志願します。
深見さんは当初
「一つの芸もできないやつが、弟子に志願するな!」
とビートたけしさんを罵倒しますが、たけしさんの熱意を認め、タップダンスなどを教え込みました。
深見さんは非常に厳しい人でしたが、このようなことをビートたけしさんに教えました。
- 「掃除も芸のうち」という教えを受ける
- 「笑われるんじゃない、笑わせろ」という芸人魂を叩き込まれる
- 「芸人だったらいつでもボケろ」という哲学を教える
- フランス座の屋根裏部屋で住みながら芸人修行を始める
1970年代前半:ツービートを結成
この頃にニートたけしさんは、後にビートきよしさんと漫才コンビ「ツービート」を結成します。
当時、深見さんは漫才を芸として認めず、ビートたけしさんがテレビに進出した際には、激怒してビートたけしさんを破門にしました。
1970年代末〜1980年代初頭:ツービートが大ブレイク
ツービートは漫才ブームの中心となり、たけしさんは全国的な人気者になります。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」といったフレーズで一世を風靡し、テレビで引っ張りだこの存在になりました。
破門にされたビートたけしさんでしたが、売れっ子になると、深見さんはその活躍を認めて破門を解いており、後に2人で浅草で飲み歩く仲にまでなっています。
1983年にはビートたけしさんは第11回日本放送演芸大賞で大賞を受賞。
成功したビートたけしさんは、賞金を持って師匠・深見のもとを訪れています。
1983年2月2日:深見千三郎の死
1983年2月2日早朝、深見千三郎さんは浅草のアパートで火災に遭い、59歳で亡くなりました。
原因は、泥酔した状態でのタバコの火の不始末だったとされています。
遺体は玄関付近で発見され、火災の影響で非常に小さな体になっていたそうです。
この訃報は、「オレたちひょうきん族」の収録中の楽屋で聞かされました。
後にビートたけしさんは、
- 「全身が打ちのめされ、膝がワナワナと震えだした」
- 「バカだなぁ。もう少したてば他人が焼いてくれるのに、てめぇで焼いちまいやんの・・・。」
とコメントしています。
映画『浅草キッド』と実話の違い
| 項目 | 実話 | 映画 |
|---|---|---|
| 深見千三郎の晩年 | 妻を亡くし、酒に溺れる生活を送っていた | 孤独な姿や、舞台を去る描写が詳細に描かれる |
| 師弟の別れ | 感動的な再会の事実は明確ではない | 涙の別れとして描かれる |
| テレビ出演の拒否 | 控えめながらテレビ出演もしていた | テレビ時代に取り残された人物として描写 |
| 死の描写 | 火災による突然の死 | ドラマ性を高めた演出が加えられている |
| たけしの顔の麻痺 | 1994年のバイク事故後の後遺症 | 若い頃からの特徴のように描かれている |
まとめと人気の実話解説記事
- 映画『浅草キッド』は、ビートたけしさんの自伝的小説を原作とした実話ベースの作品
- 浅草フランス座での修行時代と、深見千三郎さんとの師弟関係が描かれている
- ツービート結成やブレイク、師匠の死までの大筋は史実に基づいている
- 感動的な別れの場面などには映画的な脚色がある
- 深見千三郎さんは、たけしさんの芸人人生に最も大きな影響を与えた人物
- 『浅草キッド』は、芸人の原点と師弟の絆を描いた感動作である