映画『グレイテスト・ショーマン』は、実在した19世紀の興行師 P・T・バーナム をモデルにした作品です。
ただし、映画のストーリーは実話をかなり大きく脚色しています。
この記事では、P.T.バーナムの実際の人生を時系列で解説し、映画との違いも詳しく解説します。
『グレイテスト・ショーマン』は実話?
結論からいうと、『グレイテスト・ショーマン』は実在の人物をモデルにしたフィクション作品です。
主人公のP.T.バーナムは実在しましたが、映画では歴史的事実が大きく改変されています。
- バーナム本人は実在
- 実際の出来事をモチーフにしている
- 登場人物の一部も実在
- ただし人物像や時系列は大幅に脚色されている
そのため、「完全な実話」ではなく、「実在の人物をもとにしたミュージカル映画」です。
P.T.バーナムの実際の生涯を時系列で解説
1810年:コネチカット州で誕生
P.T.バーナムは1810年7月5日、アメリカ・コネチカット州ベセルで生まれました。
父は店主や宿屋経営などを手がける商才のある人物でした。
1831年:新聞を創刊
21歳の頃、週刊新聞『The Herald of Freedom』を創刊しました。
この頃から、世間の注目を集める才能を発揮していたと言われています。
1834年:ニューヨークへ移住
24歳でニューヨークに移住し、本格的に興行の世界へ進みます。
1835年:ジョイス・ヘスの見世物で成功
高齢のアフリカ系アメリカ人女性ジョイス・ヘスを、「ジョージ・ワシントンの161歳の元看護師」と偽って興行しました。
彼女の死後には公開解剖まで行っており、現代の価値観では非常に問題のある手法でした。
1841年:アメリカ博物館を購入
ニューヨークのスカダー・アメリカ博物館を買収し、「バーナムのアメリカ博物館」として運営しました。
ここでバーナムは巨万の富を築きます。
1842年:トム・サムを発掘
チャールズ・ストラットン を見出し、「ジェネラル・トム・サム」として売り出しました。
映画では成人として描かれていますが、実際には4〜5歳の子どもでした。
1850年:ジェニー・リンドのツアー
スウェーデンのオペラ歌手 ジェニー・リンド のアメリカツアーを企画し、大成功を収めます。
映画では恋愛関係が描かれますが、実際には純粋なビジネス関係でした。
1865年:博物館が火災で焼失
アメリカ博物館は火災で全焼。
映画では差別的な暴徒による放火として描かれますが、実際にはボイラー室からの出火事故と言われています。
1870年:60歳でサーカスを創設
60歳のときに本格的なサーカス事業を開始しました。
映画では若い頃からサーカスを立ち上げたように描かれていますが、これは映画の脚色です。
1881年:バーナム&ベイリー・サーカス誕生
ジェームズ・ベイリーと合併し、「バーナム&ベイリー・サーカス」が誕生しました。
後に「地上最大のショー」と呼ばれる伝説的なサーカスになります。
1891年:死去
P.T.バーナム1891年4月7日、脳卒中で亡くなりました。享年80歳でした。
映画『グレイテスト・ショーマン』と実話の違い
サーカスを始めた年齢
映画では若い頃からショーを立ち上げていますが、実際には、サーカス事業を始めたのは60歳です。
トム・サムの年齢
映画では大人として登場しますが、実際には4〜5歳の子どもでした。
ジェニー・リンドとの関係
映画では恋愛感情が描かれますが、実際には恋愛関係はなく、ビジネスパートナーでした。
フィリップ・カーライルとアン・ウィーラー
ザック・エフロン 演じるフィリップ・カーライルと、ゼンデイヤ 演じるアン・ウィーラーは完全な架空の人物です。
博物館火災の原因
映画では暴徒の放火がありますが、実際には事故による火災とされています。
バーナムの人物像
映画では、多様性を認める優しい主人公として描かれています。
しかし実際のバーナムは、差別的な見世物や誇張広告を利用するという、悪いところもある人物でした。
家族関係
映画では妻チャリティとの理想的な夫婦愛が描かれています。
実際には、妻の死後13週間で40歳年下の女性と再婚しています。
ジェニー・リンドとの恋愛は実話?
ジェニー・リンドとの恋愛は実話ではありません。
ここは映画最大のドラマのひとつですが、バーナムとジェニー・リンドに恋愛関係があった証拠はありません。
リンドはバーナムの宣伝方法に不快感を持ち、ツアーの途中で別のマネージャーのもとに移りました。
その後、彼女は伴奏者のオットー・ゴールドシュミットと結婚しています。
フィリップ・カーライルとアン・ウィーラーは実在する?
フィリップ・カーライルと
アン・ウィーラー
この2人は完全な創作キャラクターです。
映画の中で描かれる身分差や人種差を超えた恋愛を表現するために作られました。
実際のP.T.バーナムはどんな人物だったのか
P.T.バーナムは、天才的な興行師である一方で、手法的に問題のある商売も行っていました。
- 誇張広告の名手
- 見世物興行で巨万の富を築く
- 人種差別的な表現も利用
- 慈善活動にも熱心
- 政治家としても活動
P.T.バーナムは単純な善人でも悪人でもない、非常に複雑な人物だったと言われています。
映画が史実を改変した理由
『グレイテスト・ショーマン』の映画で実話の再現を忠実に行ってしまうと、
ストーリ的に「主人公の成長」や「盛り上がり」でぼんやりとした印象になってしまいます。
なので、
- バーナムの暗い側面を薄める
- 恋愛要素を追加する
- 若い頃からの成功物語にする
- 多様性を肯定するメッセージを強める
といった脚色が加えられました。
まとめと人気の実話解説記事
- 『グレイテスト・ショーマン』は実在の興行師P.T.バーナムをモデルにした作品
- 実話が元だが、史実は大幅に脚色されている
- バーナムがサーカスを始めたのは60歳のとき
- ジェニー・リンドとの恋愛は完全な創作
- フィリップ・カーライルとアン・ウィーラーは架空の人物
- 実際のバーナムは功績と問題点の両方を持つ複雑な人物だった