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【ルックバック】実話の元ネタ事件や作者の実体験の設定を解説

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【ルックバック】実話の元ネタ事件や作者の実体験の設定を解説 サムネ

映画『ルックバック』は、結論からいうとフィクションだが実話の元ネタも使われています。

藤本タツキさん自身の実体験や、2019年の京都アニメーション放火殺人事件を連想させる描写があるため、

「実話が元では?」と言われています。

この記事では、『ルックバック』が実話なのかどうかを、原作の背景や京アニ事件との関係を含めて詳しく解説します。

『ルックバック』は実話ではない

映画『ルックバック』は、原作である読み切り漫画をアニメ映画化した作品です。

原作者の藤本タツキさんが創作した物語であり、特定の実話をそのまま描いた作品ではありません。

しかし、作品には以下のような現実の要素が反映されています。

  • 藤本タツキさん自身の創作体験
  • 創作者としての嫉妬や劣等感
  • 京アニ事件を連想させる無差別殺人事件

そのため、完全なフィクションでありながら、現実の出来事などから着想得た作品と言えます。

なぜ『ルックバック』は実話だと言われるのか

『ルックバック』が実話だと誤解される最大の理由は、作中で描かれる無差別殺人事件です。

主人公・藤野の親友である京本が、美術大学で起きた事件に巻き込まれて命を落とします。

この場面が、2019年に起きた京都アニメーション放火殺人事件を思い起こさせるとして、大きな話題になりました。

京都アニメーション放火殺人事件(京アニ事件)を簡単に解説

2019年7月18日に、京都市伏見区のアニメーション制作会社「京都アニメーション(通称:京アニ)」第1スタジオで発生した放火による大量殺人事件です。

これは平成以降の殺人事件としては最多の犠牲者を出した日本史上最大級の事件となりました。

京アニ事件の経緯(時系列)

時刻出来事
10時31分頃犯人が京アニ第1スタジオに侵入してガソリンを撒き、従業員の逃げ道を塞ぎ放火。爆燃現象が発生
10時33分近隣住民から119番通報
10時38分生存者の避難が完了
10時43分消防による放水開始
16時31分2階から11人の遺体を搬出
21時12分3階から20人の遺体を搬出
翌日6時20分鎮火

京アニ事件の被害状況

  • 死者: 36人(当時スタジオ内にいた70人のうち半数以上)
  • 負傷者: 34人(重軽傷を含む)
  • 建物: 3階建ての第1スタジオは全焼

犯人の犯行動機

当時41歳の犯人の男性は、京アニの作品を見て、

「自分の小説のアイデアをパクられた」という妄想から、長年 京アニを恨んでいました。

そして、「京アニが自分の作品をパクって勝手にアニメ化した」として、

しつこくファンレターを送るなどの嫌がらせもしていました。

犯人への判決

犯人は自分も重度のやけどを負って長期入院していましたが、退院後に裁判を開始。

そして事件から約4年半後、犯人には死刑判決が下されました。

京都アニメーションの現在

京都アニメーションは取り壊され、現在は慰霊碑が建てられています。

『ルックバック』と京アニ事件との共通点

作中の事件と京アニ事件の比較

項目『ルックバック』京アニ事件
犯人の主張「俺の絵をパクりやがって」「自分の小説をパクられた」
被害者創作活動をする学生アニメ制作会社のスタッフ
動機創作物を盗まれたという思い込み同様の思い込み
テーマ理不尽な暴力実際の凶悪事件

犯人が「自分の作品を盗まれた」と思い込む点は、京アニ事件との共通点として注目されました。

『ルックバック』と京アニ事件との違い

『ルックバック』の事件は京アニ事件をそのまま再現したものではなく、実話の事件とは以下の違いがあります。

項目『ルックバック』京アニ事件
犯行方法刺殺放火
舞台美術大学京都アニメーション第1スタジオ
被害規模複数人死者36人
事件の描写物語上の象徴的な出来事現実の重大事件

このように、設定には明確な違いがあります。

そのため、『ルックバック』は京アニ事件を直接描いた作品ではなく、

フィクションの世界で起こりうる理不尽な悲劇を描いた作品だと考えられます。

藤本タツキさんの実体験が反映されている

『ルックバック』には、藤本タツキさん自身の経験が数多く反映されています。

中学生時代の経験

藤本タツキさんは、中学生の頃にイラスト投稿サイトで同年代の絵描きに強い嫉妬を感じていたと語っています。

  • 同い年なのに自分より圧倒的に上手い人がいた
  • どうやって上達したのか知りたくて質問した
  • 美術系の学校に通う人を羨ましく思った

こうした経験が、藤野と京本の関係の土台になっています。

登場人物の名前にも原作者の名前が隠されている

主人公2人の名前にも、藤本タツキさん自身が反映されています。

キャラクター名前
主人公1藤野
主人公2京本
組み合わせ藤本

「藤野」と「京本」を合わせると「藤本」となります。

このことからも、『ルックバック』が藤本タツキさん自身の創作人生を分けて描いた物語だと考えられています。

原作の事件描写のセリフが2回修正されている

原作漫画は公開後にセリフが2回修正されました。

修正前と修正後の違いはこちらです。

第1次掲載時(少年ジャンプ+)

項目内容
犯人のセリフ「俺の絵をパクりやがって」
新聞見出し「大学内に飾られている絵画から自分を罵倒する声が聞こえた」
問題点統合失調症を連想させる表現への批判

1度目の修正

項目内容
犯人のセリフ「見下しやがって!社会の役に立てねえクセしてさああ!」
新聞見出し「『誰でもよかった』と犯人が供述」
修正理由統合失調症への偏見を避けるため

2度目の修正(単行本・映画版)

項目内容
犯人のセリフ「見下しやがって!俺のアイデアだったのに!パクってんじゃねえええええ」
新聞見出し「被告は『ネットに公開していた絵をパクられた』と供述」
修正の意図初出時の「パクられた」という主張を復活させつつ、統合失調症を連想させる文言は削除

この修正によって、京アニ事件を連想する部分は残しつつ、統合失調症との関連を避ける形にしてあります。

『ルックバック』と実話の違い

項目実際の出来事『ルックバック』
作品のベース藤本タツキさんの経験完全なフィクション
京アニ事件との関係現実に起きた事件連想させる描写がある
主人公実在しない藤野と京本
テーマ現実の創作体験創作の喜びと喪失

『ルックバック』が描いているもの

『ルックバック』が描いているのは、単なる事件ではありません。

  • 絵を描くことの喜び
  • 才能への嫉妬
  • 親友との絆
  • 理不尽な別れ
  • それでも創作を続ける意味

藤本タツキさんは、

自身の中で整理しきれなかった感情を物語として昇華させた

と語っています。

まとめと人気の実話解説記事

  • 映画『ルックバック』は実話ではなくフィクション作品
  • 藤本タツキさんの中学時代の創作経験が強く反映されている
  • 作中の事件は京アニ事件を連想させるが、直接描いたものではない
  • 主人公の藤野と京本の名前を合わせると「藤本」になる
  • 原作漫画は公開後に一部表現が修正されている

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