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【映画 凶悪】実話の元ネタとモデルの3件の事件の詳細を解説。映画との違いも

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【映画 凶悪】実話の元ネタとモデルの事件3件の詳細を解説。映画との違いも サムネ

映画『凶悪』は、死刑囚の告発をきっかけに、闇に埋もれていた連続殺人事件の真相を追う作品です。

この記事では、

・元ネタとなった上申書殺人事件
・死刑囚や記者のモデル
・実際に起きた3つの殺人事件の詳細
・映画『凶悪』と実話の違い

こちらを解説していきます。

映画『凶悪』は実話を元ネタにした作品

映画『凶悪』は、2005年に発覚した「上申書殺人事件」を元にした実話ベースの作品です。

作中の冒頭でも、

「この物語は、実在の事件を元にしたフィクションである」

と明記されています。

しかし完全な創作ではなく、実際の事件や人物を土台にしながら、ドラマとして脚色されています。

原作は『凶悪―ある死刑囚の告発―』

映画の原作は、
ノンフィクション書籍『凶悪―ある死刑囚の告発―』です。

この本では、記者だった宮本太一さんが、死刑囚からの手紙を受け取ったことをきっかけに、

未解決だった連続殺人事件の真相に迫っていく過程が描かれています。

取材の積み重ねによって、証拠がほとんど残っていなかった事件が刑事事件化され、首謀者の逮捕につながりました。

映画『凶悪』の登場人物のモデル

映画の登場人物実在の人物
藤井修一(山田孝之)記者・宮本太一
須藤純次(ピエール瀧)後藤良次
木村孝雄(リリー・フランキー)三上静男

映画では名前が変更されていますが、基本的な役割は実際の人物に対応しています。

映画『凶悪』のモデルになった上申書殺人事件とは

上申書殺人事件とは、死刑囚の後藤良次が獄中から提出した上申書によって発覚した連続殺人事件です。

上申書には、不動産ブローカーの三上静男が主導した3件の殺人事件の詳細が記されていました。

後藤は共犯者でもありましたが、三上との関係悪化をきっかけに、事件の全容を明かすことを決意しました。

この異例の告発によって、表に出ていなかった事件が明るみに出たのです。

上申書殺人事件の時系列

1999年11月中旬 石岡市焼却事件

三上静男は、金銭トラブルになった男性をネクタイで絞殺しました。

被害者は推定60歳代の男性で、その後、遺体を焼却炉で廃材と一緒に焼き、身元確認を困難にしました。

犯人・三上静男の性格

三上静男は、自身の周りにヤクザ風の人物で囲わせるが好きで、

当時ほとんど堅気となった元暴力団組長の後藤良次(当時40代、映画ではピエール瀧演じる死刑囚のモデル)を「先生」と慕わせるほどの密接な関係にありました。

三上は用心棒として後藤を深く使い、後藤も三上に付いて仕事を始めると、高級車を乗り回すなど羽振りが良くなりました。

1999年11月下旬 北茨城市生き埋め事件

身寄りのない高齢の資産家男性を拉致し、自身の所有地に埋めて殺害しました。

目的は財産の奪取で、三上は約7000万円を手にしたとされています。

遺体は現在も発見されていません。

2000年7月~8月 日立市ウォッカ事件

日立市ウォッカ事件の目的は1億円の保険金でした。

借金を抱えたカーテン店経営者(当時67歳)を軟禁し、約1か月にわたりウォッカを無理やり飲ませ続けました。

糖尿病や肝硬変を患っていた被害者の体調悪化を利用し、病死に見せかけて殺害しました。

2000年8月15日に遺体が発見されましたが、当初は病死として処理され、殺人事件としては捜査されませんでした。

2000年8月20日 後藤良次の逮捕

後藤は別の重大事件で逮捕され、のちに死刑判決を受けます。

この事件は、後藤が三上に不義理を働いた人物らに制裁を加えるため、共犯者と共謀の上、

  • 男性を川に突き落として水死
  • 別の場所で男女4人を監禁
  • 高濃度の覚醒剤を注射して女性1人を中毒死
  • 部屋を放火して残り3人の殺害

これらを企てたものでした。

この時点では、三上による連続殺人事件はまだ発覚していませんでした。

2005年10月17日 上申書提出

後藤良次は、三上静男との関係に亀裂が生じていました。

告発のきっかけとなったのは、

  • 殺人による報酬をもらう約束を破った
  • 世話を頼んだ舎弟が自殺したときに財産が処分された

ということがきっかけでした。

後藤は東京拘置所で知り合った死刑囚のツテで、記者・宮本太一氏に面会に来てもらうことを決意し、

2005年10月17日、弁護人を通じて茨城県警に上申書を提出しました。

上申書には、三上が主導した3件の殺人事件

  • 石岡市焼却事件
  • 北茨城市生き埋め事件
  • 日立市ウォッカ事件

についてが記されていました。

2005年~2007年 新潮45の取材

新潮45の記者・宮本太一さんが後藤と面会を重ね、事件の裏付け取材を進めました。

雑誌での報道によって、事件は大きな注目を集めました。

2009年 三上静男の刑確定

三上静男には無期懲役判決が確定しました。

しかし、証拠が消されている事件の捜査は困難を極め、

3件のうち起訴まで持ち込めたのは、たった1件(日立市ウォッカ事件)だけでした。

2006年12月31日 工務店経営者の事故死

殺人事件の依頼を仲介したとされる工務店経営者(当時52歳)が、捜査中に交通事故死していました。

これは単なる偶然だったのか、それとも計画的に消されてしまったのか、現在でも不明のままです。

判決結果

被告人判決
三上静男無期懲役
後藤良次懲役20年(別事件で死刑確定)
保険金殺人を依頼した家族懲役13年~15年
口座を不正開設した家族懲役1年、執行猶予3年

映画『凶悪』と実話の違い

項目実話映画
記者の家族特別な記録なし認知症の母を介護する設定
被害者の監禁期間約1か月短期間に簡略化
虐待の描写鳥小屋への監禁などスタンガンなどで演出
記者の名前宮本太一さん藤井修一
事件の数3件(石岡市焼却事件、北茨城市生き埋め事件、日立市ウォッカ事件)3件の事件が描かれているが、詳細は省略
首謀者の名前三上静男木村孝雄

記者の母親の設定は映画オリジナル

映画では、藤井修一が認知症の母親を介護している様子が描かれます。

しかし、この設定は実話には存在しません。

映画『凶悪』でのこの介護の描写は、記者の人間性を深く描くための工夫でした。

映画『凶悪』では一部の残酷描写が簡略化されている

実際の事件は、映画以上に異常で残酷だったとされています。

特に日立市ウォッカ事件では、被害者は約1か月もの間、監禁と虐待を受け続けました。

映画では観客が受け止められるように、一部の描写が簡略化されています。

まとめと人気の実話解説記事

・映画『凶悪』は、上申書殺人事件を元にした実話ベースの作品
・原作はノンフィクション『凶悪―ある死刑囚の告発―』
・モデルとなった人物は宮本太一、後藤良次、三上静男
・実際には3件の殺人事件があり、死刑囚の告発で発覚した
・映画では記者の母親の設定などオリジナル要素が追加されている
・事件の核心部分は実話にかなり忠実に描かれている

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