映画『グリーンブック』は、
1962年に実際に行われた旅をもとに制作された作品です。
黒人ピアニストのドン・シャーリーさんと、
イタリア系アメリカ人の運転手兼ボディーガード、トニー・リップさんの実話が元ネタになっています。
この記事では、
- 映画『グリーンブック』は実話なのか
- 実際にあった出来事の時系列
- 映画と実話の違い
- 二人のその後
こちらを解説していきます。
映画『グリーンブック』は実話を元ネタにした作品
映画『グリーンブック』は、
1962年にドン・シャーリーさんがアメリカ南部を巡ったコンサートツアーを元ネタにしています。
当時のアメリカ南部では、
人種隔離政策(ジム・クロウ法)の影響が強く残っていました。
黒人が自由に宿泊や食事をできる場所は限られており、
旅には大きな危険が伴っていた時代です。
そのような状況の中で、
ドン・シャーリーさんはトニー・リップさんを雇い、
南部ツアーに出発しました。
「グリーンブック」の意味
タイトルの「グリーンブック」とは、
正式には
『The Negro Motorist Green Book』
という旅行ガイドです。
黒人旅行者向けに、
- 宿泊できるホテル
- 利用できるレストラン
- ガソリンスタンド
などをまとめた冊子でした。
差別の厳しい時代に、
安全に旅をするための重要な情報源だったと言われています。
映画『グリーンブック』の実話の時系列
1962年 ドン・シャーリーの南部ツアーが決定
ドン・シャーリーさんは、
クラシックとジャズを融合させた独自の音楽で知られるピアニストでした。
1962年、
アメリカ南部での演奏ツアーが決まりました。
しかし、
当時の南部では黒人に対する差別が根強く、
移動には護衛役が必要でした。
トニー・リップが雇われる
トニー・リップさんは、
ニューヨークのナイトクラブ「コパカバーナ」で用心棒として働いていました。
腕っぷしの強さと度胸を買われ、
ドン・シャーリーさんの運転手兼ボディーガードとして雇われます。
当初のトニー・リップさんには、
黒人に対する偏見があったとされています。
南部ツアーが始まる
二人はニューヨークを出発し、
アメリカ南部各地を巡りました。
旅の途中で、
- ホテルへの宿泊拒否
- レストランの利用拒否
- 警察による不当な取り締まり
といった差別に何度も直面します。
ロバート・ケネディの秘書に電話した事件
実際に、
ドン・シャーリーさんは警察とのトラブルの際、
ロバート・F・ケネディさんの秘書に電話し、
助けを求めたことがあったと言われています。
映画では印象的な場面として描かれていますが、
実際の状況には細かな違いがありました。
ツアーを通じて友情が深まる
旅を続けるうちに、
価値観の異なる二人は少しずつ互いを理解していきました。
トニー・リップさんは、
ドン・シャーリーさんが受ける差別を目の当たりにし、
考え方を変えていきました。
ツアー後も交流が続く
ツアー終了後も、
二人は交流を続けたとされています。
トニー・リップさんの息子であるニック・バレロンガさんは、
幼いころから二人の交流を見ていたと語っています。
2013年 二人の死去
トニー・リップさんは2013年1月に82歳で死去しました。
ドン・シャーリーさんも同年4月に86歳で亡くなっています。
長年にわたり関わりを持っていた二人が、
同じ年にこの世を去ったことは印象的です。
映画『グリーンブック』と実話の違い
映画は実話をもとにしていますが、
ドラマとして脚色された部分もあります。
| 項目 | 映画での描写 | 実際の出来事 |
|---|---|---|
| ツアー期間 | 約2か月 | 複数回のツアーをまとめて描写 |
| 二人の関係 | 深い友情 | 遺族の間で見解が分かれる |
| 家族との関係 | 孤独な人物として描写 | 兄弟と親しい関係を維持 |
| フライドチキン | 食べたことがない | 実際には幼少期から親しんでいた |
| 移動車 | 緑のキャデラック | 実際は黒いリムジン |
| ケネディへの電話 | 映画的に演出 | 実際の状況とは細部が異なる |
ドン・シャーリーの遺族による批判
ドン・シャーリーさんの弟、
モーリス・シャーリーさんは、
映画について「事実と異なる部分が多い」と批判しました。
特に、
- 家族と疎遠だったという描写
- トニー・リップさんとの関係
- 黒人文化に疎いような描写
に異議を唱えています。
映画を支持する声もある
一方で、
トニー・リップさんの家族や、
エセル・ケネディさんなどは、
映画の内容を高く評価しています。
そのため、
どこまでが事実なのかについては、
現在も意見が分かれています。
まとめと人気の実話解説記事
- 映画『グリーンブック』は1962年の実話をもとにしている
- モデルはドン・シャーリーさんとトニー・リップさん
- タイトルの「グリーンブック」は黒人旅行者向けガイドブック
- 映画にはツアー期間や人物像などに脚色がある
- ドン・シャーリーさんの遺族は一部描写を批判している
- 二人は2013年に数か月違いで亡くなった