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【空飛ぶタイヤ】実話モデルの事故と事件を解説。映画と実話の違いも

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【空飛ぶタイヤ】実話モデルの事故と事件を解説。映画と実話の違いも サムネ

映画『空飛ぶタイヤ』は、長瀬智也主演で公開された社会派ドラマです。

巨大企業の不正と、それに立ち向かう中小企業の戦いを描いた作品として大きな話題になりました。

この記事では、

  • 『空飛ぶタイヤ』の実話モデル
  • 三菱自動車リコール隠し事件の詳細
  • 映画と現実の違い
  • なぜ「実話」と言われるのか

こちらを詳しく解説します。

『空飛ぶタイヤ』は実話をモデルにした作品

結論からいうと、『空飛ぶタイヤ』は実話を元にしたフィクション作品です。

原作は池井戸潤による同名小説で、実際に起きた、

  • 横浜母子3人死傷事故
  • 三菱自動車リコール隠し事件

この2つの事件をベースにしています。

特に「走行中の大型トラックのタイヤ脱落事故」という設定は、実際の死亡事故がモデルになっています。

『空飛ぶタイヤ』のモデルになった三菱自動車リコール隠し事件の詳細を時系列で解説

【1977年~2000年】23年間続いたリコール隠し

不具合情報を秘密管理

三菱自動車では1977年頃から、ユーザーから寄せられた不具合情報を組織的に管理していました。

本来、重大な不具合は国へ報告しリコール対応を行う必要があります。

しかし社内では、

  • 国へ報告する情報
  • 隠蔽する情報

を分ける「二重管理」が行われていました。

「Hマーク」で隠蔽

特に問題視されたのが「Hマーク」と呼ばれる分類です。

これは、

「運輸省に知られたくない不具合」

を意味していました。

監査時にはこの情報を提示せず、長年にわたり隠蔽が続けられていたのです。

違法な「ヤミ改修」

さらに三菱自動車では、正式なリコール手続きを行わず、密かに修理する「ヤミ改修」も実施していました。

この対応は30年以上続いていたとされています。

ハブ破損事故が多発

1992年以降、大型車両でハブ破損事故が相次ぎました。

確認されただけでも57件発生し、そのうち51件でタイヤ脱落が起きています。

しかし三菱自動車側は、

「ユーザーの整備不良」

と主張し続けました。

【2000年6月12日】内部告発で発覚

転機となったのは内部告発でした。

2000年6月、運輸省へ匿名の通報が届きます。

内容は極めて具体的で、

  • 隠蔽資料の保管場所
  • 社内調査方法
  • データ確認手順

まで記載されていました。

これにより、国による本格調査が始まります。

【2000年7月6日】運輸省監査で発覚

運輸省の監査によって、三菱自動車のリコール隠しが明らかになりました。

10車種以上に関する重大不具合が隠蔽されていたことが判明し、社会には大きな衝撃が走りました。

【2000年9月】社長辞任

事件の責任を取り、河添克彦社長が辞任しました。

さらに、

  • 家宅捜索
  • 略式命令
  • 幹部処分

などが行われ、企業全体が厳しい批判を受けます。

【2002年1月10日】横浜母子3人死傷事故

タイヤ脱落事故発生

2002年1月、神奈川県横浜市で重大事故が発生しました。

大型トレーラーの左前輪タイヤが突然脱落し、歩道を歩いていた母子3人へ直撃したのです。

母親が死亡

事故では、

  • 母親(29歳)が死亡
  • 4歳と1歳の子どもが負傷

しました。

脱落したタイヤは、

  • 直径約1メートル
  • 重さ約140キログラム

にも及んでいました。

原因はハブ欠陥

後の調査で、原因はハブ部品の構造的欠陥だったことが判明します。

三菱自動車は以前から同様事故を把握していましたが、十分な対応を行っていませんでした。

【2002年10月】山口県でも死亡事故

同年10月には山口県でも大型車事故が発生しました。

冷蔵貨物車のプロペラシャフトが破断し、制御不能となって運転手が死亡します。

こちらも構造的欠陥が原因とされました。

【2004年】リコール隠し再発覚

74万台規模の隠蔽

2004年、三菱ふそうで再びリコール隠しが発覚します。

その規模は74万台にも及びました。

欠陥把握後も放置

クラッチ系統の欠陥を以前から把握していたにもかかわらず、十分な対策を取っていなかったことも明らかになります。

それに加えて、死亡事故との関連も問題視されました。

【2004年4月22日】支援打ち切り

筆頭株主だったダイムラー・クライスラーは、三菱自動車への支援打ち切りを発表しました。

経営危機は一気に深刻化します。

【2004年5月】関係者逮捕

警察は関係者を、

  • 道路運送車両法違反
  • 業務上過失致死傷

などの容疑で逮捕しました。

企業不祥事としては異例の事態となります。

【2007年12月13日】横浜地裁の有罪判決

横浜地裁は、

「欠陥を把握できた可能性は高い」

と認定しました。

元幹部らに対して、

  • 禁錮1年6か月
  • 執行猶予3年

の有罪判決を言い渡します。

【2008年7月15日】東京高裁判決

東京高裁では、元会長ら3人と法人としての三菱自動車に対して有罪判決が下されました。

罰金20万円の判決となります。

【2010年3月9日】最高裁で有罪確定

最高裁は上告を棄却しました。

これにより、三菱自動車幹部らの有罪が正式に確定します。

【2012年2月8日】最高裁で再び判決確定

業務上過失致死傷罪についても最高裁が上告を棄却しました。

これは、

  • リコール未実施
  • 不作為
  • 死亡事故との因果関係

を法的に認めた重要判例となりました。

【その後】経営危機と組織改革

販売不振と経営危機

一連の不祥事によって三菱自動車の販売台数は激減しました。

さらに資本提携も打ち切られ、経営危機へ陥ります。

三菱グループが支援

最終的には、

  • 三菱重工
  • 三菱商事
  • 東京三菱銀行

などグループ企業による巨額支援で再建が進められました。

ここまでが、三菱自動車リコール隠し事件の全容となります。

2016年に再び不正発覚

しかし2016年には燃費データ不正問題が発覚します。

そのため、

「企業体質は変わっていないのでは」

と再び社会的批判を浴びました。

『空飛ぶタイヤ』と実話の違い

映画は実際の事件をモデルにしていますが、物語として大きく脚色されています。

運送会社の結末が大きく違う

項目映画・原作実際の事件
結末無実が証明され会社が再生社会的批判を受け廃業
評価名誉回復される整備不良の疑いを背負ったまま

現実では、運送会社は深刻な被害を受けました。

  • 誹謗中傷
  • 嫌がらせ電話
  • 契約停止
  • 社会的信用失墜

などに苦しみ、最終的に廃業へ追い込まれています。

運転手の設定も違う

項目映画実際
運転手若い社員運送会社社長本人

映画では若い社員が運転していました。

しかし、実際にハンドルを握っていたのは運送会社社長本人でした。

映画では“戦う社長”として描かれる

映画『空飛ぶタイヤ』では、赤松運送の社長・赤松徳郎が巨大企業へ立ち向かいます。

独自調査を進めながら、企業の隠蔽体質を暴き、自社の無実を証明していきます。

しかし、現実にはそのような逆転劇はありませんでした。

現実の運送会社は、真相解明前に社会的信用を完全に失ってしまったのです。

なぜ『空飛ぶタイヤ』は「実話」と言われるのか

タイトル自体が事故を連想させる

「空飛ぶタイヤ」という言葉は、実際の横浜母子3人死傷事故を指す言葉として広まりました。

そのため、多くの人が実話と結びつけています。

三菱自動車事件の知名度が高い

三菱自動車リコール隠し事件は、日本企業不祥事の中でも特に有名な事件でした。

社会的インパクトが大きかったため、『空飛ぶタイヤ』も実話作品として認識されやすくなっています。

2016年の燃費不正問題で再注目

2016年、三菱自動車では再び燃費データ不正問題が発覚しました。

そのため、

「また同じような隠蔽体質なのでは」

と世間で話題になり、『空飛ぶタイヤ』との関連性も再び注目されました。

まとめと人気の実話解説記事

  • 『空飛ぶタイヤ』は実話を元にしたフィクション作品
  • モデルは2002年の横浜母子3人死傷事故
  • 三菱自動車のリコール隠し事件も題材になっている
  • 実際の運送会社は社会的批判を受け廃業した
  • 映画では中小企業が巨大企業へ立ち向かう姿が描かれる

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