『ツレがうつになりまして。』は、
漫画家の細川貂々さんが夫・望月昭さんのうつ病との闘いをリアルにつづったコミックエッセイを原作とした映画です。
この記事では、
- モデルとなった細川貂々さん・望月昭さんのプロフィール
- 実際に起きた出来事の時系列
- 映画と実話の違い
- 作品が生まれた理由とその後
こちらを解説していきます。
『ツレがうつになりまして。』は実話を元ネタにした作品
結論から言うと、『ツレがうつになりまして。』は完全な実話をベースにした作品です。
漫画家の細川貂々さんが、夫・望月昭さんのうつ病発症から寛解までの約3年間を描いたコミックエッセイが原作。
2006年3月に幻冬舎から出版され、ベストセラーになりました。
映画は2011年10月8日に公開。
妻役を宮崎あおいさん、夫役を堺雅人さんが演じ、監督は佐々部清さんが務めています。
そして、原作者の細川貂々さんと望月昭さん本人がカメオ出演しているのも、この映画ならではのポイントです。
『ツレがうつになりまして。』のモデル・細川貂々さんと望月昭さんについて
『ツレがうつになりまして。』のモデルは、漫画家の細川貂々さんとその夫・望月昭さんの実在する夫婦です。
細川貂々さん(妻・漫画家)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 細川 貂々(ほそかわ てんてん) |
| 職業 | 漫画家 |
| 作品発表当時 | 売れない漫画家として活動中 |
| 主な出版社 | 幻冬舎 |
細川貂々さんは、うつ病と闘う夫を傍で支えながら、その体験をありのままに漫画として記録した人物。
当初は売れない漫画家でしたが、この作品がベストセラーになったことで広く知られるようになりました。
望月昭さん(夫・元外資系IT企業勤務)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 望月 昭(もちづき あきら) |
| 職業(当時) | 外資系IT企業勤務 |
| 発症時年齢 | 39歳 |
| 現在の活動 | 個人事務所「てんてん企画」の社長 |
望月昭さんは外資系IT企業でバリバリ働く会社員でしたが、39歳のときにうつ病を発症。
現在は夫婦で立ち上げた個人事務所「てんてん企画」の社長として活動しています。
『ツレがうつになりまして。』の実話の時系列
〜2004年:バリバリの会社員が突然「死にたい」と打ち明ける
望月昭さんは外資系IT企業でバリバリ働くサラリーマン。
妻の細川貂々さんは売れない漫画家として活動していました。
結婚8年目(望月さん39歳、細川さん34歳)のある日、夫が突然「死にたい」と打ち明けます。
病院を受診したところ、うつ病と診断されました。
2004年〜2006年:闘病の日々
診断後も、望月昭さんはしばらく会社に通い続けました。
しかし次第にミスが増え、最終的に会社を退職することに。
- 「社会の役に立てない」
- 「いろんなことができなくなった」
という思考にとらわれ、布団から出られない状態が続いていきます。
細川貂々さんは「私が頑張らなければ」と必死に支えようとしましたが、
約1年後にその姿勢がかえって夫を追い詰めていたと気づきます。
細川さんの母のアドバイスもあり、励ますことには慎重に対応するようになりました。
また、義父母の訪問が望月さんの状態を悪化させていたため、細川さんが義母に手紙を送ります。
「当分会わないでください」
この申し出に義母も快く承諾してくれたことで、夫婦二人での闘病を続けられたのです。
2006年3月:実体験をコミックエッセイに
闘病中の体験をまとめた漫画『ツレがうつになりまして。』が2006年3月に幻冬舎から出版されます。
出版後はベストセラーとなり、続編『その後のツレがうつになりまして。』も刊行されました。
2006年12月:約3年の闘病を経て寛解
約3年にわたる闘病を経て、2006年12月に症状が落ち着いた状態を迎えます。
うつ病では「完治」ではなく「寛解(症状が落ち着いた状態)」という言葉が使われます。
症状が落ち着いている状態であり、再発リスクは残るため、今も疲れをためないよう生活管理を続けているとのこと。
なお、望月さんが勤めていた会社はその後倒産しています。
2009年〜2011年:ドラマ化・映画化
2009年にはNHKでテレビドラマ化。
2011年10月8日には映画が公開されました。
夫婦間には子どもが生まれ、望月さんが育児・家事を一手に担うようになっています。
現在は夫婦の個人事務所「てんてん企画」の社長として望月さんが活動しているとのことです。
映画『ツレがうつになりまして。』と実話の違い
映画はほぼ実話に忠実ですが、いくつか異なる点もあります。
| 項目 | 映画での描写 | 実際の事実 |
|---|---|---|
| 妻の名前 | 高崎晴子(ハルさん) | 細川貂々(ほそかわ てんてん) |
| 夫の名前 | 高崎幹男(ツレ) | 望月昭(もちづき あきら) |
| 夫の勤め先 | ウェブソフト・ラボラトリー | 外資系IT企業 |
| 結末 | 明るい回復の流れで締めくくる | 「寛解」であり再発リスクは継続 |
| 義父母との関係 | 省略 | 手紙で当分の面会を断った |
| 夫の会社の倒産 | 省略 | 退職後に会社が倒産した |
| 子育て後の変化 | 省略 | 望月さんが専業主夫として育児・家事を担当 |
映画はより明るい結末に仕上がっている
実際には、うつ病の寛解後も再発のリスクは続いています。
細川貂々さん・望月昭さん夫妻は今も疲れをためないよう生活管理を続けているとのこと。
映画はというと、回復の流れで気持ちよく終わる、やや明るめの結末に仕上がっています。
ドラマ版のほうが原作に忠実
2009年のNHKドラマ版は、映画よりも原作に忠実な内容とされています。
キャストも異なり、エピソードの細かい描写がより丁寧に描かれています。
精神科医が医療監修を担当
映画の医療描写については、精神科医の野村総一郎さんが監修を担当。
うつ病の症状や治療の描写が正確になるよう、専門家の目がしっかり入っているわけです。
細川貂々さんが漫画にした理由
細川貂々さんがこの体験を漫画にしたきっかけは、周囲からの心ない言葉でした。
夫のうつ病を打ち明けると、こんな言葉が返ってきたのです。
「意外と根が暗い人だったんですね」「ネガティブな方なんですね」
うつ病が「性格の問題」だと思われていることへの違和感。
「うつ病は誰でもなりうる病気だ」と伝えたいという思いが、この作品を生み出したわけです。
実際、望月昭さんは外資系IT企業で活躍していたバリバリの会社員。
「根が暗い人」とは真逆のような人物がうつ病になったという現実が、この作品で説得力につながっています。
まとめと人気の実話解説記事
- 『ツレがうつになりまして。』は漫画家・細川貂々さんの実体験を描いた完全な実話ベースの作品だった
- 夫の望月昭さんは外資系IT企業で働いていた39歳のときにうつ病を発症した
- 発症から寛解まで約3年かかり、2006年12月に症状が落ち着いた
- 映画は登場人物の名前や勤め先が変えられ、義父母との関係など実話の一部が省略されている
- 映画は実話より明るい結末に仕上がっているが、実際には再発予防の生活管理が今も続いている
- 「うつ病は誰でもなりうる病気だ」と伝えるために漫画化され、ベストセラーになった